商品やサービスを売るためには、まず社名やブランド名をお客さんに認知してもらおうと考える人は多いかもしれません。

社名やブランド名を広く世の中に認知してもらうには、多額の時間とお金がかかります。また、その認知からすぐに売上げに結びつくかといえば、それは有名ブランドを持つ大手企業の話です。

スモールビジネスにとっての社名の認知について考えてみたいと思います。

認知度向上よりも大切なこと

「認知」や「認知度」という言葉をよく聞きますが、ほとんどの人がその意味を間違ってとらえています。

大企業が認知度を向上させることは、会社の名前を広く知らしめることで、私の会社の商品やサービスは安心だから大丈夫ですよということを目的としていますが、スモールビジネスではそれと同じことはできません。

スモールビジネスでは、認知度の向上よりも、まずはお客さんの選択肢に入ることが大切です。

お客さんが埋もれていてわからないということをお伝えしましたが、お客さんから見てもあなたのことがわからないのです。

例えば、あなたがお寿司屋さんを営んでいたとして、私がお寿司を食べたいと思ったとき、いくつか知っているお寿司屋さんが頭をよぎります。

そのいくつかのなかにあなたのお店が出てこなければ、その時点で私はあなたのお店に足を運ぶことはありません。

他のお店の常連さんであっても同じことです。

お寿司を食べたいと思ったら「あそこのお寿司が食べたい」となりますが、ひいきにしているお店が休みのときもありますし、「今日はちょっと違うところの寿司を食べたいな」と思うこともあるはずです。

そのとき、あなたのお店を頭に思い描いてもらえなければ、新規客として呼び込むことはできません。売上げアップにはならないのです。

認知度よりも伝えるべきことは何か

それなのに、まず何屋さんなのかわからないお店が多すぎます。

横文字で格好のよい名前のお店も多いですが、みんな本当に読めているのか不思議ですし、取り扱っている商品やサービスとお店の名前がまったくつながらないところも多くあります。

私の実家はお寿司屋さんです。会社名は有限会社源次ですが、屋号は「源次寿司」です。常連さんには「源次」と言えばわかりますが、はじめてそのお店の存在を知った人に対して「源次」だけでは何屋さんだかパッとは伝わらないのです。

これでは、売上げアップにつなげることはむずかしいのではないでしょうか。

「ドトールコーヒー」とか「ミスタードーナツ」とか「タイヤ館」と言ってくれたほうが、何屋さんだかすぐにわかります。

「パナソニック」とか「日立」とか「東芝」とか「ソニー」というのは、歴史もありますし、ものすごいお金をかけることで認知度を上げているので、それだけで誰が聞いてもどんな会社かはすぐにわかりますが、「源次」と言われても誰もわからないのです。

実際には、地域密着で30年以上やっているお寿司屋さんなので、地元ではその存在を知っている人はそこそこいるとは思いますが、それだって「あそこのお寿司屋さん」という認識はあっても「源次」という名前まで知っているかどうかはわかりません。

私たちが名前を認知させようというのは、はっきり言って時間もお金もかかるのですぐには無理な話なのです。


「認知度の向上が売上げアップにつながるって本当?」まとめ

認知度向上の努力は大企業だからできること。スモールビジネスでは、とにかくお客さんに選んでもらうことが大事。