商売がうまくいっていても、不可抗力といえる要因で業績が悪化することがあります。
時代の変化により、世の中に必要とされなくなる商品やサービスもあります。そんな状況でも、がまんして同じ商売を続ける必要はありません。
どのような商売をするかは、お金を稼ぐための1つの手段に過ぎないのです。だから、商売替えは恥ではありません。
商売をする上での目的と手段について、どう考えるべきでしょうか?
商売替えとは、手段や方法を替えること
ある商売をはじめたとして、永遠にそれを続けなければいけないという法律はどこにもありませんし、複数事業を持つことも禁止されてもいません。
極端なことをいえば、独立してラーメン店を開業したものの、それが居酒屋になり、エステサロンに変わってもまったくかまわないと思います(おすすめはしませんが…)。
ラーメン店を開業すること自体が目的だったわけではないでしょう。ラーメン店はお金を稼ぐためのひとつの手段。「人生を豊かにしたい」とか「家族を幸せにしたい」といった目的のために選んだ方法のひとつでしかないはずです。
事業からの撤退を余儀なくされると、自分のことを全否定してしまいそうになることがあるかもしれません。しかし、「人生を豊かにしたい」という目的まで消えてしまったわけではありません。
手段と目的を明確に分けて考えれば、いまの事業にさっさと見切りをつけて、商売替えをすることに精神的な負担なんか感じることはありません。「悔しい」とか「格好悪い」なんて、思っている場合ではないのです。
確かに、友人や知人からは、
「何だあいつ。しょっちゅう、仕事を変えてるな」
などと、陰口をたたかれるかもしれません。でも、そんなこと関係ないのです。自分の人生なんですから。
商売替えで大切なのは、遅すぎないこと
私は着物リサイクルのお店はありますが、古い友人からは「あいつは何をしているのか分からない」と言われているようです。
そりゃそうでしょう。サラリーマンのように毎日朝から夜まで決まった時間出社して働くわけでもなく、いくつか事業を行っていますし、地元の他に首都圏にも住まいがあるので、いつもフラフラしているように見えるのですから、外から見たら理解の範疇を超えています。
私もいちいち説明はしませんし、この着物リサイクルだって一生続けるかというと、そんなことはわかりません。明日やめるかもしれないし、10年先も続けるかもしれない。
でも、起業家はそれでいいのです。カメレオンのように、ビジネスの環境に適応していくことが大事なのです。
ただし、商売替えをするなら、ある程度の資金と時間的な余裕は絶対に必要です。ここが重要なのですが、どうにも首が回らなくなってから動いたのでは遅すぎます。
「商売の目的と手段について考える」まとめ
商売をするのはお金を稼ぐという目的があってこそ。将来性のない事業は早めに見切りをつけて商売替えすることも大切。