起業するにあたっては、これから自分が進出する業界について調べることがとても大切です。

まず、知っておきたいのが市場規模です。市場規模を知ることで、自分のビジネスの将来性や、そもそもその業界で起業すべきかどうかまでかが見えきます。

市場規模という数字をどう読み解けばよいのか、お話ししたいと思います。

起業するなら、まず市場規模を調べよう

起業するときに、自分が取り組む業界の市場規模を調べない人が多いことに本当に驚きます。とはいうものの、私が廃業したときのことを思い返せば、市場規模という言葉すら知りませんでしたが…。

ある業界の市場規模は業界紙や関連書籍などで調べることができます。

例えば、放置自転車ビジネスという業界の市場規模を調べるには、大きい市場から小さな市場を調べることになります。まずは、自転車の市場規模を調べます。

すると、日本全国に自転車は約7000万台あることがわかります。一説には、登録されていない自転車を含めると、1億台以上あるのではないかともいわれています。

次に、自転車の新車販売台数を調べると、自転車は年間1000万台売れていることがわかります。

ここで、数字のギャップが見えてきます。毎年1000万人も人口が増えていないのに、自転車が1000万台も売れているのです。

そこで、疑問と仮説を立てることができます。それは、自転車の買い替え需要と放置自転車の存在です。

加えて、放置自転車がどのくらいあるかを調べると、自治体で年間300万台放置自転車を撤去しています。

自治体だけで放置自転車を300万台撤去しているということは、民間の土地を入れれば、かなりの台数が放置されていることが読み取れます(*参考書籍:稲本勝美「放置自転車ビジネス開業マニュアル」著ぱる出版)。

起業前に業界の実態を知る

このように市場規模を調べると、その業界の実態が見えてくるのです。さらに市場規模を調べていけば、ライバルの存在も知ることができます。

放置自転車ビジネスでは、その市場規模に対してライバルの存在が表面的にはほとんどいないので、かなり面白いビジネスなるという見方ができるのです。

もし、時間があれば近所の団地を回って自転車を探してみてください。かなりの台数があることに気づくでしょう。その中の一定数が放置自転車となっているのですが、それがお金になるのです。これって、すごいと思いませんか?

もちろん、いくら市場規模を調べたとしても、その情報から仮説を立てることができなければ何にもなりません。仮説を検証するには、自分の足で確かめることも必要です。

起業すべきかどうかは業界の実態次第

一方、着物リサイクルビジネスではどうでしょう。着物市場はピーク時には2兆円あったといわれていますが、現在は3000億円程度までシュリンクしてしまっています。

実際に、呉服屋さんはかなりの数減りましたし、都会はまだしも、地方では着物を着る人にめったに出会いません。

この数字だけ見ると、着物業界には参入しない方が良いという結論が出ます。しかし、私の地域ではライバルがほとんどいなかったので、十分戦えるという地域密着の市場を調べました。

こうして市場を調べるときには、大きいところから手の届く小さな範囲に絞っていくことで、その可能性を見つけることができるのです。

それと、市場性を考えるときに一緒に考えるべき要素は、「タイミング」です。このタイミングもビジネスには欠かせない要素です。

いまお話ししたように、着物という業界は縮小していて、市場としてはあまり明るい未来はイメージできません。しかし、地元では強力なライバルがいなかったのです。

もし、私より先に着物リサイクルで強力なライバルがいたとしたら、恐らく参入はしなかったでしょう。これはひとつのタイミングと言い換えることができます。


「起業するなら、業界や市場規模について知っておくべき」まとめ

市場規模を調べれば、その業界の実態が見えてくる。市場の将来性やライバルの存在を見きわめよう。